年間主日・A年

王であるキリスト・A年(23.11.26)

「わたしの兄弟である最も小さい者」 神の国とは、神の王的支配のこと 皆さんが、よくご存じにように、新約聖書においてイエスが、語られた中心的なキーワードは神の国にほかなりません。 因みにこの神の国とは、神の王的支配を意味していると言えましょう。…

年間第33主日・A年(23.11.19)

「忠実な僕(しもべ)だ」 あなたがたはすべて光の子、昼の子だから(一テサロニケ5:5参照) 早速、今日の第二朗読ですが、使徒パウロがテサロニケの教会に宛ててしたためた、手紙一の5章からの抜粋であります。因みに、このテサロニケの教会ですが、使徒パ…

年間第32主日・A年(23.11.12)

「目を覚ましていなさい」 知恵を愛する人には自分を示す(知恵6:12参照) 早速、今日の第一朗読ですが、知恵の書の6章からの抜粋であります。 ちなみに、この知恵の書ですが、ギリシャ時代(333-63BC)に、アレキサンダー大王による世界支配が、ヘレニズム…

年間第30主日・A年(23.10.29)

「互いに愛し合いなさい」 寄留者(きりゅうしゃ)を虐待し圧迫してはならない(出エジプト22:20参照) 早速、今日の第一朗読ですが、モーセの時代のイスラエルの民の生き方についての大切な愛の掟を強調している場面にほかなりません。 ちなみに、ヨセフのお…

年間第29主日・A年「世界宣教の日」(23.10.22)

「燃える心、踏み出す足」 本日は、「世界宣教の日」に当たり、すでに教皇フランシスコが、この日のための教皇メッセージを発表なさっておられるので、何時ものような朗読聖書からの説教のかわりに、このメッセージのさわりの箇所を、紹介することで、主日の…

年間第28主日・A年(23.10.15)

「招かれる人は多いが 選ばれる人は少ない」 死を永久に滅ぼして下さる(イザヤ25:8参照) 早速、今日の第一朗読ですが、恐らく紀元前6世紀半ば、無名(むめい)の預言者によって語られたバビロン捕囚からの解放の預言と言えましょう。 ですから、万軍の主によ…

年間第27主日(A年・23.10.8)

「家を建てる者の捨てた石 これが隅の親石となった」 ぶどう畑の愛の歌(イザヤ5:1-7参照) 早速、今日の第一朗読ですが、紀元前8世紀にユダ王国で活躍した第一イザヤ預言者のイスラエルの神の救いのドラマを歌った「ぶどう園の歌」にほかなりません。 それ…

年間第26主日・A年(23.10.1)

「後(あと)で回心して出かけた」 回心して必ず生きる(エゼキエル18:28参照) 早速、今日の第一朗読ですが、バビロンの捕囚地で、活躍した預言者エゼキエルの回心(かいしん)を呼び掛ける切なる預言を伝えています。 ちなみに、この預言者エゼキエルは、何と…

年間第25主日・A年(23.9.24)

「あなたたちもぶどう園に行きなさい」 わたしの思いはあなたたちの思いを高く超えている(イザヤ55:9参照) 今日の第一朗読は、第二イザヤの、捕囚民に対しての希望と慰めのメッセージの最後のくだりに他なりません。 それは、メシアとしてのペルシャの王キ…

年間第24主日・A年(23.9.17)

「心から兄弟を赦さないなら 天の父も同じようになさる」 父母に対する子どもの務め(シラ3:1-18参照) 今日の第一朗読は、知恵文学に属するシラ書27章と28章からの抜粋(ばっすい)で、テーマが赦しですが、それは、今日の福音のテーマですので、シラ書からは…

年間第23主日・A年(23.9.10)

「交わり、参加、宣教」 互いに愛し合う(ローマ13:8参照) 来月、バチカンで開催されるシノドスのキーワードは、「交わり、参加、宣教」でありますが、まさに教会の神の民としての本来の姿を表しています。 それでは、早速、今日の第二朗読ですが、使徒パウ…

年間第22主日・A年(23.9.3)

「わたしのために命を失う者はそれを得る」 「被造物を大切にする世界祈願日」教皇メッセージ 教皇フランシスコは、去る5月13日に、本日の「被造物を大切にする世界祈願日」教皇メッセージを発表なさいました。 その要約は、今日(きょう)の「聖書と典礼」の…

年間第21主日-A年(23.8.27)

「私の教会を建てる」 ダビデの家の鍵を置く(イザヤ22:22参照) 最初に今日の第一朗読ですが、第一イザヤが、紀元前8世紀にユダ王国のヒゼキヤ王に仕えていた書記官(しょきかん)シェブナに対する厳しい預言を、次のように伝えています。 「主は言われる。わ…

年間第20主日-A年(23.8.20)

「あなたの信仰は立派だ」 主のもとに集まって来た異邦人が 主に仕え主の名を愛し(イザヤ56:6参照) 早速、今日の第一朗読ですが、第三イザヤが預言する救いが異邦人にまで広がって行くという希望に満ちたメッセージにほかなりません。 ちなみに、この第三…

年間第19主日(A年・23.8.13)

「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」 静かにささやく声が聞こえた(列王記上19:12b参照) 早速、今日の第一朗読ですが、列王記が語る預言者エリヤの主なる神の静かなささやきの声を聞いたという感動的場面であります。 ちなみに、この列王記ですが、恐らくイ…

主の変容・A年(23.8.6)日本カトリック平和旬間

「これはわたしの愛する子これに聞け」 「人の子」のような者が天の雲に乗り(ダニエル7:13参照) 今日の第一朗読は、知恵文学に属するダニエル書が、預言する救いの完成の暁(あかつき)に遣わされる「人の子」が登場する場面であります。 ちなみに、このダニ…

年間第17主日・A年(23.7.30)

「高価な真珠を一つ見つけると」 今あなたたちに知恵に満ちた賢明(けんめい)な心を与える(列王記上3;12参照) 早速、今日の第一朗読ですが、列王記上3章が語る夢の中で神からいただいた有難いお言葉を、いとも感動的に伝えています。 ちなみに、この列王記…

年間第16主日・A年(23.7.23)

「耳のある者は聞きなさい」 こうして御民(みたみ)に希望を抱かせ 罪からの回心をお与えになった(知恵12:19b参照) 早速、今日の第一朗読ですが、知恵文学の代表作ともいえる知恵の書の神の忍耐こそが回心を促すことを雄弁に語っている箇所であります。 ち…

年間第15主日・A年(23.7.16)

「わたしの言葉はわたしの望むことを成し遂げる」 わたしの口から出るわたしの言葉は 空しくはわたしのもとに戻らない(イザヤ55:11参照) 初めに、今日の第一朗読ですが、便宜上(べんぎじょう)第二イザヤと呼ばれる章の結論になるイザヤ書55章が伝える、神…

年間第14主日・A年(23.7.9)

「諸国の民(たみ)に平和が告げられる」 エフライムから戦車をエルサレムから軍馬(ぐんば)を断つ(ゼカリア9:10参照) 早速、今日の第一朗読の時代背景ですが、イスラエルの民が、半世紀にわたる試練の時、バビロンにおける捕囚時代を終えて、エルサレムに戻…

年間第13主日・A年(23.7.2)

「わたしのために命を失う者は かえってそれを得る」 あの方は聖なる神の人である(列王記下4:9参照) 今日の第一朗読ですが、列王記下による預言者(よげんしゃ)エリアの弟子エリシャのシュネムでの感動的な物語を伝えています。 舞台(ぶたい)は、カルメル山…

年間第12主日・A年(23.6.25)

「だから恐れるな」 主に向かって歌い主を賛美せよ(エレミヤ20:13参照) 早速、今日の第一朗読ですが、紀元前七世紀末から六世紀初めにかけてエルサレムで活躍した預言者エレミヤの「主に向かって歌い、主を賛美せよ(同上20:13)。」と叫ぶ、極めて力強い…

年間第11主日・A年(23.6.18)

「天の国は近づいた」 祭司の王国、聖なる国民となる(出エジプト19:6a参照) 早速、今日の第一朗読ですが、神の民イスラエルが、エジプトの奴隷の家から、まさに奇跡的に脱出し、シナイ半島を横切り三か月目(さんかげつめ)にようやくシナイの荒れ野に辿りつ…

キリストの聖体の祭日(23.6.11)

「わたしたちは大勢であっても一つの体です」 このパンを食べる者は永遠に生きる(ヨハネ6:58c参照) ちなみに、本日(ほんじつ)は、キリストの聖体の祭日に定められていますが、近年諸外国では、イエスの最も尊い体と血の祭日に改められています。 それは、…

三位一体の主日・A年(23.6.4)

「栄光は父と子と聖霊に」 父と子と聖霊の名によって洗礼を授け(マタイ28:19参照) ちなみに、今日(きょう)の三位一体の祭日は、時の教皇ヨハネ22世によって、1334年に定められました。 それでは、聖書と伝統を手掛かりに、三位一体の神秘を、共に振り返っ…

聖霊降臨の主日・A年(23.5.28)

「一同は聖霊に満たされて話し出した」 教会の誕生を振り返って 典礼の暦では、復活の主日に始まった50日間をまさに一つの祝日として祝い続けた復活節が、今日の聖霊降臨の主日のミサで終り、明日からは年間に入ります。 それでは、早速、今日の第一朗読の使…

主の昇天・A年(23.5.21)

「すべての民をわたしの弟子にしなさい」 聖霊降臨の約束とイエスの昇天 今日の第一朗読ですが、福音史家ルカが、その福音書(第一巻)の第二の書(第二巻)として、編集した使徒言行録の冒頭の箇所であります。 ですから、両書(りょうしょ)とも、次のような…

復活節第6主日・A年(23.5.14)

「父は別の弁護者を遣わしてくださる」 私を愛しているならば わたしの掟を守る(ヨハネ14:15参照) 今日の福音も、先週に引き続き福音史家ヨハネが伝えるイエスの最後の晩餐(ばんさん)の席上(せきじょう)、切々と語られた告別説教の第一部「聖霊を与える約…

復活節第5主日・A年(23.5.7)

「父への道であるイエス」 わたしを信じる者は、わたしが行う業を行い、また、もっと大きな業をおこなうようになる (ヨハネ14:12b参照) 早速、今日の福音ですが、先週に引き続きヨハネ福音書の14章からの抜粋(ばっすい)であります。 しかも、文脈(ぶんみゃ…

復活節第4主日・A年(23.4.30)

「わたしが来たのは羊が命を受けるため しかも豊かに受けるためである」 回心しなさい。イエス・キリストの名によって洗礼を受け、罪を赦していただきなさい。そうすれば賜物として聖霊を受けます。(使徒2:38-39参照) 復活節の間、第一朗読は、使徒言行録…