2020-01-01から1年間の記事一覧

神の母聖マリアの祭日(2021.1.1)

「神の母聖マリアを祝う」 神は御子(おんこ)を女から生まれた者として遣わした(ガラテヤ4.4参照) 初めに今日(きょう)の祭日の「神の母」という称号について確認してみましょう。 まず、聖母マリアを「神の母」として崇(あが)めるのは、例えば、すでに433年…

聖家族の祝日・B年(2020.12.27)

「幼子はたくましく育ち、知恵に満ち 神の恵みに包まれていた」 アブラムは主を信じた(創世記15.6参照) 早速、今日の第一朗読を振り返って見ましょう。 今日の朗読箇所は、創世記の15章と21章からの抜粋であります。 実は、アブラハムですが、この段階では…

主の降誕(日中のミサ)2020.12.25

「み言葉は人間となり われわれの間に住むようになった」 地の果てまですべての人がわたしたちの神の救いを仰ぐ(イザヤ52.2参照) 昨晩、わたしたちは全世界の善意の人々と共に、救い主イエスの降誕を祝いました。 そして、今日(きょう)また改めてイエスが…

主の降誕(夜半のミサ)2020.12.24

「今日、あなた方のために救い主が お生まれになった」 平和は絶えることがない(イザヤ9.6参照) それでは、早速、今日の第一朗読箇所について振り返ってみましょう。 それは、メシア預言者イザヤが、紀元前728年に行われたユダ王国の王ヒゼキア王(728-698…

待降節第4主日・B年(2020.12.20)

「生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる」 あなたの身から出る子孫に跡(あと)を継がせる(サムエル記下8.12参照) 早速、今日の第一朗読ですが、歴史書サムエル記下の7章と8章からの抜粋(ばっすい)であります。 ちなみに、古いユダヤの伝承によれば、こ…

待降節第3主日・B年(2020.12.13)

「主の道をまっすぐにせよ」 良い知らせを(イザヤ61.16参照) 早速、今日の第一朗読を振り返ってみましょう。 まず、今日の箇所は、便宜上第三イザヤと言われるイザヤ書61章の冒頭の抜粋であります。つまり、無名の預言者第三イザヤは、紀元前六世紀末から…

待降節第2主日・B年(2020.12.6)

「荒れ野で叫ぶ声がする」 慰めよ、わたしの民を慰めよ(イザヤ40.1参照) では、早速今日の第1朗読を振り返ってみましょう。 実は、このイザヤ書ですが、最近の研究の結果、三つに分けて、つまり1章から39章までを第一イザヤ、40章から55章までを第二イザヤ…

七十五回目のクリスマス

初めてのクリスマス 初めてカトリック教会を訪ねたのは、小学六年生の夏休みであった。 それは、母がある日突然、三人の子どもたちに「教会に行きなさい」と一方的に命じたからである。 当時、我が家は母方の親戚を頼って旧満州から引き上げてきて、それまで…

待降節第1主日・B年(2020.11.29)

「気をつけて、目を覚ましていなさい」 昨日の「教会の祈り」の待降節第1主日前晩の祈りから、B年の待降節が始まりました。 ですから、今日は、B年の待降節第1主日を祝います。 ちなみに、この待降節は、前半では特に再臨のキリストを迎える準備に勤しみ、…

王であるキリスト・A年(2020.11.22)

「人の子はその栄光の座に着く」 王であるキリストの祭日のテーマ 1925年、時の教皇ピオ11世は、「われらの主イエス・キリスト、全世界の王の祭日」を、毎年10月の最後の日曜日に祝うことを、定められました。その後、典礼歴年の新しい原則によって、年間最…

年間第33主日・A年(2020.11.15)

「貧しい人のための世界祈願日」 貧しい人に援助の手を差しのべよ(シラ7.32参照) 教皇フランシスコは、すでに四年前から、年間第33主日を、「貧しい人のための世界祈願日」に定められました。 ですから、今日(きょう)のために、長い熱きメッセージを、全世…

年間第32主日・A年(2020.11.8)

「目を覚ましていなさい」 知恵を思って目を覚ましていれば(知恵の書6.15参照) まず、今日の第一朗読ですが、知恵の書の6章からの抜粋であります。 ちなみに、この知恵の書は、恐らく紀元前一世紀ごろに、エジプトの学問の都市アレクサンドリアで、ギリシ…

諸聖人の祭日・A年(2020.11.1)

「天には大きな報いがある」 白い衣を身に着け手にナツメヤシの枝(黙示録7:9参照) いつものように「ことばの典礼」でいただいた今日のみことばを、少し丁寧に振り返ってみましょう。まず第一朗読ですが、ヨハネ黙示録の7章からの抜粋であります。ちなみに…

年間第30主日・A年(2020.10.25)

「わたしは必ずその叫びを聞く」 わたしは必ずその叫びを聞く(出エジプト22.22参照) 因みに、旧約聖書の二番目の書物『出エジプト記』は、イスラエルの民が、エジプトの奴隷の家から脱出する壮大な救いの歴史が語られる書物で、恐らく紀元前10世紀から9世…

「世界宣教の日」(2020.10.18)

「全世界に行って福音を宣べつたえなさい」 教皇フランシスコのメッセージから 本日の「世界宣教の日」にあたって、教皇フランシスコは、全世界の教会に宛ててメッセージを送られました。そのさわりの個所を、抜粋してお伝えいたします。 「新型コロナウイル…

年間第28主日・A年(2020.10.11)

「婚宴は客でいっぱいになった」 すべての顔から涙をぬぐい(イザヤ25:8b参照) 早速、今日の第一朗読ですが、紀元前5世紀ごろ、イスラエルが戦勝国バビロニア帝国の首都バビロンの近くを流れる運河のほとりに、強制移住させられていた捕囚時代の無名の預言…

年間第27主日・A年(2020.10.4)

「聞いたこと見たことを実行しなさい」 神の民イスラエルの不忠実 今日の第一朗読は、紀元前8世紀にユダ王国で活躍した預言者イザヤが、神の期待を裏切った王国の指導者階級を厳しく批判した預言の抜粋であります。 因みに旧約聖書では、主なる神を農夫に、…

年間第26主日・A年(2020.9.27)

「他人のことにも注意を払いなさい」 回心への呼び掛け 早速、今日の第一朗読ですが、紀元前597年の第一回バビロン捕囚の際に戦勝国の首都バビロンの近郊を流れる川のほとりに強制移住させられた、預言者エゼキエルが編集した預言書18章からの抜粋であります…

年間第25主日・A年(2020.9.20)

「日々(ひび)みこころを行う」 主に立ち帰る(日々の回心) 早速、今日の第一朗読ですが、第二イザヤと呼ばれる無名の預言者が、紀元前6世紀ごろ、編集した捕囚民に対する慰めと希望のメッセージと言えましょう。まさに半世紀にわたって耐え忍んだ捕囚時代…

年間第24主日・A年(2020.9.13)

「神の無償の愛に生かされて」 隣人を愛しなさい(レビ記19.18参照) 早速、今日の第一朗読ですが、旧約聖書の知恵文学に属するシラ書の27章と28章からの抜粋であります。それは、紀元前190年頃、シラの子イエススが、ヘブライ語で、書いた文書であります。…

年間第23主日「被造物を大切にする世界祈願日」A年(2020.9.6)

「すべてのいのちを守るために」 教皇フランシスコの回勅『ラウダート・シ:ともに暮らす家を大切に』の叫び 丁度、五年前の2015年5月24日の聖霊降臨の祭日に教皇フランシスコは、全世界に向けて回勅『ラウダート・シ:ともに暮らす家を大切に』を発布されま…

年間第22主日・A年(2020.8.30)

「心を新たにして自分を変えていただく」 あなたに捕えられた(エレミヤ20.7参照) 早速、今日の第一朗読ですが、紀元前7世紀末から6世紀初めにかけてエルサレムで活躍した預言者エレミヤが編集した預言書の20章からの抜粋であります。 しかも、今日の個所は…

年間第21主日・A年(2020.8.23)

「派遣の教会を育てる」 旅する神の民 今日の聖書朗読から、「今日における教会の使命」というテーマを設定することが出来るのではないでしょうか。 では、早速、旧約聖書を紐(ひも)どいて、教会の元型と考えられる「神の民」について、振り返って見ましょう…

年間第20主日・A年(2020.8.16)

「貧しい人は福音を告げ知らされている」 全ての民の祈りの家 早速、今日の第一朗読ですが、便宜上第三イザヤと呼ばれる無名の預言者が編集したと考えられるイザヤ書56章の抜粋であります。この預言者が活躍した時代背景は、捕囚時代が終わり故国に帰ること…

聖母被昇天の祭日(2020.8.15)

「被昇天の聖母からの呼び掛け」 聖母被昇天祭の由来 まず、初めに今日の祭日の由来を、改めて簡単にふり返ってみましょう。 実は、聖母の被昇天つまり、聖母マリアは、この地上で最後の息を引き取られた直後、魂だけでなく体も共に天に挙げられたという信仰…

平和を求めるミサ(2020.8.9)

「平和を実現する人は幸いである」 平和旬間の由来 今から丁度39年前、時の教皇ヨハネ・パウロ二世が初めて日本を訪問され、平和の巡礼者としての大役(たいやく)を見事に果たされました。1981年2月25日、広島平和記念公園で、教皇ヨハネ・パウロ二世は、九か…

年間第18主日・A年(2020.8.2)

「聞き従って魂に力を得よ」 わたしに聞き従えば魂は豊かさを楽しむ 早速、今日の第一朗読ですが、便宜上第二イザヤと呼ばれるイザヤ書55章の冒頭の抜粋であります。恐らく、預言者イザヤの弟子の一人の、捕囚時代の終わり頃に捕囚民に向かって間もなく故国…

年間第15主日・A年(2020.7.12)

「みことばの力」 聴き従って魂にいのちを得よ 今日の第一朗読ですが、おそらく紀元前6世紀ごろ、預言者イザヤの弟子の一人が、イスラエルが試練の捕囚時代を終え、ようやく故国に帰ることが出来ると言う希望と慰めに満ちた預言を編集したイザヤ預言書55章か…

年間第14主日・A年(2020.7.5)

「イエスの軛(くびき)を担う」 高ぶることなくろばに乗って来る 今日の第一朗読ですが、第二ゼカリアと呼ばれる預言書の9章からの抜粋であります。その時代背景は、イスラエルが、50年以上にわたる捕囚からようやく解放され、故国に戻り、早速、エルサレムの…

年間第12主日・A年(2020.6.21)

「すべてのキリスト者は福音宣教者である」 預言者の苦悩と神への信頼 早速、今日の第一朗読ですが、紀元前7世紀末から6世紀初めにかけてユダ王国の都(みやこ)エルサレムで、活躍した預言者エレミヤが体験した迫害の苦しみと神への揺るぎない信頼を、次のよ…