2021-01-01から1年間の記事一覧

主の公現・C年(2022.1.2)

「異邦人がキリスト・イエスによって 同じ約束にあずかる者となる」 初めに、本日の祭日の由来を振り返って見ましょう。 教会は、家畜小屋で貧しくお生まれになった救い主イエスを、降誕祭で盛大に祝い、今日(きょう)は、東方の博士たちによって公に礼拝され…

神の母聖マリア(2022.1.1)

「マリアはこれらの出来事を心の納めて 思い巡らしていた」 まず初めに、本日の「神の母聖マリアの祭日」にちなんで、第二バチカン公会議の「教会憲章」(66項参照)によって、マリア崇敬の神学的根拠について次のように教えていることを確認してみましょう。…

聖家族・C年(2021.12.26)

「イエスは知恵が増し 神と人とに愛された」 この子は生涯主にゆだねられた者です(サムエル上1.28参照) イスラエルのアブラハムから始まる歴史を振り返りますと、アブラハムの家族を中心に、族長時代が始まり、エジプトにおいて下層民となっていた時代を体…

主の降誕(日中のミサ)2021.12.25

「み言葉は人間となり われわれの間に 住むようになった」 地の果てまで すべての人が神の救いを仰ぐ(イザヤ52.10b参照) 紀元前6世紀、イスラエルの主だった人々が、バビロニア帝国の首都バビロンの近郊に強制移住させられていたいわゆる捕囚時代に、第二…

主の降誕 (夜半のミサ:21.12.24)

「地には平和、御心に適う人にあれ」 「平和の君」と唱えられ平和は絶えることがない(イザヤ9.56-56a参照) 「闇の中を歩む民は、大いなる光を見 死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。 あなたは深い喜びと大きな楽しみをお与えになり 人々は御前(おまえ)…

待降節第4主日・C年(21.12.19)

「主がおっしゃったことは必ず実現する」 お前の中からわたしのために イスラエルを治める者が出る(ミカ5.1参照) それでは、いつものように今日の聖書朗読箇所を順にふり返ってみましょう。 まず、第一朗読ですが、預言書ミカ書の5章からの抜粋であります…

待降節第3主日・C年(21.12.12)

「わたしたちはどうすればよいのですか」 お前はもはや災いを恐れることはない(ゼファニア3.15c参照) いつものように、今日の聖書朗読箇所を、順にふり返ってみましょう。 まず、第一朗読ですが、旧約にある預言書ゼファニア書の3章からの抜粋であります。…

待降節第2主日・C年(21.12.5)

「主の道を整え その道筋をまっすぐにせよ」 神は自らの慈しみと義をもって栄光の輝きを表す(バルク5.9参照) それでは、今日の聖書朗読箇所を、順にふり返ってみましょう。 まず、第一朗読ですが、旧約聖書続編にあるバルク書5章からの抜粋であります。 本…

待降節第1主日・C年(21.11.28)

「心が鈍くならないように注意しなさい」 その時、わたしはダビデのために正義の若枝を生え出でさせる(エレミヤ33.15参照) まず初めに、今日から始まった典礼歴年のC年の待降節について、確認してみましょう。この待降節には、二つの特質があると言えまし…

王であるキリスト・B年(21.11.21)

「真理に属する人は皆わたしの声を聞く」 彼の支配はとこしえに続きその統治は滅びることがない(ダニエル7.13-14参照) 最初に、本日の王であるキリストの祭日の由来を簡単に振り返って見ましょう。 1925年、教皇ピオ11世は、ニケア公会議1600年記念祭にち…

年間第33主日・B年(21.11.14)

「人の子が大いなる力と栄光を帯びて 雲に乗って来るのを見る」 多くの者の救いとなった人々は とこしえに星と輝く(ダニエル12.3参照) 早速、今日の第一朗読ですが、ダニエル書12章からの抜粋であります。 実は、この書物は、紀元前300年頃に、無名の著者に…

年間第32主日・B年(21.11.7)

「この貧しいやもめはだれよりもたくさん入れた」 やもめは行ってエリヤの言葉どおりにした(列王記上17.15参照) 早速、今日の第一朗読ですが、列王記上17章からの抜粋であります。 この列王記は、ダビデ王の晩年における宮廷内の争いに始まり、ソロモン王…

年間第31主日・B年(21.10.31)

「力を尽くして神を愛し また隣人を自分のように愛する」 今日わたしが命じるこれらの言葉を心に留めなさい(申命記6.6参照) 早速、今日の第一朗読ですが、申命記6章からの抜粋であります。この書物は、ギリシャ語の七十人訳聖書では、「第二の律法」となっ…

年間第30主日・B年:世界宣教の日(21.10.24)

「盲人のバルティマイのいやし」 彼らは大いなる会衆になって帰って来る(エレミヤ31.8c参照) 本日の「世界宣教の日」のために教皇フランシスコは、「教皇メッセージ」を、次のような呼びかけで、初めておられます。 「親愛なる兄弟姉妹の皆さん! 神の愛の…

年間第29主日・B年(21.10.17)

人の子は仕えられるためではなく 仕えるために来た 多くの人が正しいものとされるために 彼らの罪を自ら負った(イザヤ53.11) 今日の第一朗読ですが、イザヤ書53章からの抜粋であります。ちなみに近年、66章あるイザヤ書を、その編集者と時代によって便宜上…

年間第28主日・B年(21.10.10)

「永遠の命を受け継ぐには 何をすればよいでしょうか」 知恵の手の中には図り難い富がある(知恵の書7.11参照) 早速、今日の第一朗読ですが、智恵文学に属する知恵の書の7章からの抜粋であります。 ところで、聖書で言われている知恵とは、一体(いったい)何…

年間第27主日・B年(21.10.3)

「神が結び合わせてくださったものを 人は離してはならない」 人が独りでいるのは良くない(創世記2.18参照) いつものように今日の聖書朗読箇所を、順にふり返ってみましょう。 まず、第一朗読は、創世記2章からの抜粋ですが、恐らく紀元前10世紀頃に編纂さ…

年間第26主日・B年(21.9.26)

「主の民すべてが預言者になればよい」 主が霊を授けて 主の民すべてが預言者になればよい(民数記11.29c参照) 本日は、「世界難民移住移動者の日」に当たり、「聖書と典礼」の2頁には、カッコして(献金)と表示されていますが、献金もさることながら、こ…

年間第25主日・B年(21.9.19)

「すべての人の仕える者になりなさい」 本当に彼が神の子なら助けてもらえるはずだ(知恵2.18a参照) 早速、今日の朗読箇所を、それぞれ順に振り返ってみましょう。 まず、第一朗読ですが、知恵文学に属する知恵の書の2章からの抜粋であります。この書物は、…

年間第24主日・B年(21.9.12)

「自分を捨て自分の十字架を背負って わたしに従いなさい」 打とうとする者には背中を任せ、髭を抜こうとする者には頬をまかせた(イザヤ50.6参照) 早速、今日の第一朗読を振り返ってみましょう。 朗読箇所は、第ニイザヤの50章の抜粋であります。 実は、第…

年間第23主日・B年(21.9.5)被造物を大切にする世界祈願日

「神は貧しい人たちを選んで 国を受け継ぐ者となさった」 本日は、教皇フランシスコが定められた「被造物を大切にする世界祈願日」に当たります。ちなみに、この日の設定の意義について、教皇フランシスコは、2020年9月1日付で、教皇メッセージを発表なさい…

年間第22主日・B年(2021.8.29)

「神の掟を捨てて人間の言い伝えを守っている」 わたしが命じるとおりにあなたたちの神、主の戒めを守りなさい(申命記4.26参照) 早速、今日の第一朗読ですが、申命記の4章からの抜粋であります。 この申命記ですが、モーセの三大説教集と最後の勧告という…

年間第21主日・B年(2021.8.22)

「あなたは永遠の命の言葉を持っておられる」 わたしたちも主に仕えます。この方こそ、わたしたちの神です(ヨシュア記24.18b) 早速、今日の第一朗読ですが、旧約聖書のヨシュア記の24章からの抜粋であります。 内容は、イスラエルの民が、エジプトの奴隷の…

聖母被昇天の祭日(21.8.15 元寺小路教会)

「被昇天の聖母からの呼び掛け」 聖母被昇天祭の由来 まず、初めに今日の祭日の由来を、改めて簡単にふり返ってみましょう。 実は、聖母の被昇天つまり、聖母マリアは、この地上で最後の息を引き取られた直後、魂だけでなく体も共に天に挙げられたという信仰…

仙台教区「平和を求めるミサ」(2021.8.8元寺小路司教座聖堂)

「敵を愛し自分を迫害する者のために祈りなさい」 義の実は平和を実現する人たちによって平和のうちに蒔かれる(使徒ヤコブ3.18参照) 本日は、日本カトリック平和旬間にちなんで、仙台教区内のすべての教会において、「平和を求めるミサ」をささげます。 ち…

年間第18主日・B年(2021.8.1)

「わたしが命のパンである」 主があなたたちに食物として与えられたパンである(出エジプト16.15参照) 早速、今日の第1朗読ですが、旧約聖書の二番目の書物、出エジプト記16章からの抜粋であります。この書物は、イスラエル人がエジプトで奴隷として重労働…

年間第17主日・B年(2021.7.25)

「感謝の祈りを唱えてから分け与えられた」 人々に与えて食べさせなさい(列王記4.42参照) 早速、今日の第1朗読ですが、列王記下4章からの抜粋です。この列王記は、上下と二巻に分けられていますが、旧約聖書にある歴史書に属する歴代の王たちの歴史を語る…

年間第16主日・B年(2021.7.18)

「飼い主のいない羊のような有様を深く憐れみ」 わたしはダビデのために正しい若枝を起こす(エレミヤ23.5b参照) 今日の第一朗読は、いちばん長い預言書エレミヤ書の23章からの抜粋であります。 この預言書を編集した預言者エレミヤは、南のユダ王国で、紀…

洗礼志願者への手紙(横島健二神父様)

『洗礼志願者への手紙』 横島健二神父様(仙台教区司祭) 洗礼を受けるということは、神と約束を交わすことです。志願式を受けたときよりも、もっともっと慎重であっていただきたいと願わずにはいられません。 慎重であるために、少なくとも、これだけは心に…

年間第15主日・B年(2021.7.11)  

『十二人は出かけて行って宣教した』 行って預言せよ(アモス7.8参照) 今日の第一朗読は、旧約聖書にあるアモス書の7章からの抜粋であります。 このアモス書ですが、預言者アモスが、紀元前783年から740年にかけて、南のユダ王国で活躍したときに書き残した…