年間主日・C年

王であるキリスト(22.11.20)

「イエスよ、あなたの御国(みくに)においでになるとき」 その十字架の血によって平和を打ち立て(コロサイ1:20参照) 早速、今日の第二朗読ですが、使徒パウロのコロサイの教会に宛てた手紙1章からの抜粋(ばっすい)であります。 ちなみに、古代都市コロサイ…

年間第33主日・C年(22.11.13) / 第6回「貧しい人のための世界祈願日」

「忍耐によってあなたがたは 命をかち取りなさい」 義の太陽が昇るその翼(つばさ)にはいやす力がある 早速、今日の第一朗読ですが、恐らく紀元前五世紀の前半に編集されたと考えられるマラキ書3章からの抜粋であります。 特に、その3章の13節からは、正しい…

年間第32主日・C年(22.11.6)

「すべての人は神によって生きる」 永遠の新しい命へとよみがえらせてくださる(二マカバイ7:9参照) 早速、今日の第一朗読ですが、旧約聖書続編にあるマカバイ記二7章からの抜粋であります。 ちなみに、この書物の時代背景ですが、紀元前200年の少し前から…

年間第31主日・C年(22.10.30)

「人の子は失われたものを捜して救うために来た」 命を愛される主よ、あなたはすべてをいとおしまれる(知恵11:26参照) 早速、今日の第一朗読ですが、知恵の書11章からの抜粋であります。 この書物は、紀元前1世紀頃に、エジプトの北端にある都市アレクサン…

年間第30主日・C年(22.10.23)

「だれでもたかぶる者は低くされ へりくだる者は高められる」 主は裁く方であり 人をえこひいきなさらない(シラ35:15b参照) 早速、今日の第一朗読ですが、知恵文学に属するシラ書の35章からの抜粋であります。 まず、この書物が書かれた時代背景ですが、パ…

年間第29主日・C年(22.10.16)

「気を落とさずに絶えず祈らなければならない」 御言葉(みことば)を宣べ伝えなさい(二テモテ4:2参照) 早速、今日の第二朗読ですが、先週に引き続き使徒パウロが書いたとされるテモテへの手紙3章と4章からの抜粋であります。 使徒パウロは、晩年ローマでの…

年間第28主日・C年(22.10.9)

「あなたの信仰があなたを救った」 主以外の他の神々に 焼き尽くす献げ物をささげることはしません (列王記下5:17参照) 今日の第一朗読は、歴史書に属する列王記下5章からの抜粋であります。 この書物ですが、ダビデ王の最後の日々から始まり、ユダ王国の…

年間第27主日・C年(22.10.2)

「わたしどもは取るに足らない僕(しもべ)です しなければならないことをしただけです」 神に従う人は信仰によって生きる(ハバクク1:4参照) 今日の第一朗読は、表題で、預言者と明記しているハバククの預言書1章と2章からの抜粋(ばっすい)であります。 この…

年間第26主日・C年(22.9.25)

「モーセと預言者に耳を傾けないのなら その言うことを聞き入れはしないだろう」 災いだ、シオンに安住しサマリアの山で安逸(あんいつ)をむさぼる者らは (アモス6:1a参照) 早速、今日の第一朗読ですが、先週に引き続き、アモス書6章からの抜粋であります。…

年間第25主日・C年(22.9.18)

「あなたがたは、永遠の住まいに入れてもらえる」 安息日がいつ終わるのか(アモス8.5参照) 今日の第一朗読ですが、アモス書8章からの抜粋であります。 この預言者アモスが、その預言書の冒頭で自己紹介を次のように書いております。 「テコア村の牧者アモ…

年間第24主日・C年(22.9.11)

「一人の罪人が悔い改めれば 神の天使たちの間に喜びがある」 主はご自身の民にくだす、と告げられた災いを思い直された (出エジプト32:14参照) 早速、今日の第一朗読ですが、出エジプト記32章からの抜粋です。 この書物は、紀元前6世紀にイスラエルの民の…

年間第23主日・C年(22.9.4)

「わたしの弟子になる覚悟とは」 私たちは知恵によって救われたのです(知恵9:19参照) 早速、今日の第一朗読ですが、知恵文学という文学形式に属する知恵の書9章からの抜粋であります。 その時代背景としては、恐らくギリシャ時代(333~63B.C.)に地中海沿…

年間第22主日・C年(22.8.28)

「だれでも高ぶる者は低くされ へりくだる者は高められる」 主はへりくだる人によってあがめられる(シラ書3:20b参照) まず初めに、今日の第一朗読ですが、知恵文学に属するシラ書(集会の書)3章からの抜粋です。 この書物は、紀元前2世紀頃に、シラ・エレ…

年間第21主日・C年(22.8.21)

「狭い戸口から入るように努めなさい」 あらゆる国民の間から わたしの聖なるエルサレムに連れて来る(イザヤ66:20参照) 早速、今日(きょう)の第一朗読ですが、イザヤ書最後の66章からの抜粋であります。 実は、このイザヤ書は、近年の聖書研究の結果、便宜…

聖母被昇天の祭日(22.8.15)

「身分の低いこの主のはしために 目をとめてくださったから」 はじめに 全世界のカトリック教会は、聖母マリアの被昇天つまり、聖母マリアが体も魂と共に天の栄光に昇(あげ)られたことを、典礼における祭日として盛大に祝います。 ちなみに、この聖母の被昇…

仙台教区:平和を求めるミサ(22.8.7)

「この聖書のことばは今日実現した」 エッサイの株から若枝が育ち その上に主の霊がとどまる(イザヤ11:1-2参照) 早速、今日の第一朗読ですが、メシア預言の代表とも言えるイザヤ預言書11章からの抜粋であります。ちなみに近年の聖書研究の結果、66章あるイ…

年間第18主日・C年(22.7.31)

「自分のために富を積んでも 神の前に豊かにならない者は」 なんという空しさ すべては空しい(コヘレト1:2参照) 早速今日の第一朗読ですが、知恵文学に属する「コヘレトの言葉」1章からの抜粋で、人生の儚(はかな)さだけでなく、その空しさを歌いあげてい…

年間第17主日・C年(22.7.24)

「正しい者たちのために町全部を救う」 その十人のために わたしは滅ぼさない(創世記18:32d参照) 今日の第一朗読ですが、創世記18章からの抜粋で、アブラハムが、三人の旅人の姿で現れた神を、見送ってからの出来事として、いとも感動的に伝えている場面で…

年間第16主日・C年(22.7.17)

「必要なことはただ一つだけである」 あなたの妻のサラに男の子が生まれているでしょう(創世記18.10a) さっそく、今日の第一朗読ですが、旧約聖書の最初の書物である創世記18章からの抜粋であります。 この創世記こそ神の救いの歴史の始まりを語る、いわば…

年間第14主日・C年(22.7.3)

十字架のほかに 誇るものがあってはなりません 神のイスラエルの上に平和と憐みがあるように(ガラテイア6.16) まず、今日の第一朗読ですが、使徒パウロのガラテヤの教会への手紙6章からの抜粋ですが、実はガラテヤの教会は、使徒パウロの第二宣教旅行中に…

年間第13主日・C年(22.6.26)

「あなたは行って 神の国を言い広めなさい」 それからエリシャは立ってエリヤに従い彼に仕えた(列王記上19:21参照) 早速、今日の第一朗読ですが、列王記上の19章からの抜粋であります。 この書物は、タイトルが示しているように、二代目の王ダビデの晩年に…

キリストの聖体の祭日(22.6.19)

「パンを取り、天を仰いで賛美の祈りを唱え」 本日の祭日の由来 まず初めに、本日の祭日の歴史的成り立ちについて振り返ってみましょう。 実は、中世のヨーロッパの教会では、ミサ典礼そのものに対する関心が薄らいでしまい、1200年ごろには、むしろもっぱら…

三位一体の主日(22.6.12)

「わたしが父のもとから遣わす弁護者が 証ししてくださる」 初めに、本日の祭日の由来を、振り返ってみましょう。 ちなみに、聖霊降臨の主日後の日曜日には、救いの歴史における具体的な出来事にまつわる主題に基づく祭日はなく、むしろキリスト教信仰の特定…

聖霊降臨の主日・C年(22.6.5)

「聖霊がすべてのことを教え ことごとく思い起こさせてくださる」 聖霊に満たされて他の国々の言葉で話し出した(使徒言行録2.4参照) 初めに、本日(ほんじつ)の祭日の由来を簡単に振り返ってみましょう。 そもそも、復活日後50日は、初期のキリスト教徒にと…

主の昇天(22.5.29)

「祝福しながら天に上げられた」 地の果てに至るまでわたしの証人となる(使徒言行録1.8参照) 初めに、本日の祭日の由来を簡単に振り返ってみましょう。 実は、初期キリスト教では、キリストの昇天を祝う特別な祭日はなかったのであります。 むしろ、キリス…

復活節第6主日・C年(22.5.22)

「平和をあなたがたに残し わたしの平和を与える」 わたしたちは満場一致で決定しました(使徒言行録15.25参照) 私たちは、今、2023年10月にバチカンで「共に歩む教会のためー交わり、参加、そして宣教」と言うテーマによって開催される世界代表司教会議第1…

復活節第5主日・C年(22.5.15)

「互いに愛し合いなさい」 見よ、わたしは万物を新しくする(黙示録21.5a) 早速、今日の第一朗読ですが、先週に引き続きヨハネの黙示録21章からの抜粋であります。しかも、今日の箇所は、新しい天と地が、終末つまり救いの完成の暁(あかつき)に、実現する次…

復活節第4主日・C年(22.5.8)

「わたしは羊に永遠のいのちを与える」 弟子たちは喜びと聖霊に満たされていた(使徒言行録13.52参照) 早速、今日の第一朗読ですが、使徒言行録13章からの抜粋であります。 ちなみに、この13章は、パウロの第一回宣教旅行の前半の活動を報告している箇所と…

復活節第3主日・C年(22.5.1)

「福音宣教の喜び」 イエスの名のために(使徒言行録5.41参照) 今日の第一朗読は、使徒言行録の5章からの抜粋であります。 この書物は、ルカ福音記者が、その福音書の第二部として、西暦30年から63年までの初代教会における使徒たちの宣教活動を編集したと…

復活節第2主日・C年【神のいつくしみの主日】(22.4.24)

「あなた方に平和があるように わたしもあなたがたを遣わす」 多くの男女が主を信じその数はますます増えた(使徒言行録5.14参照) 今日の第一朗読は、使徒言行録の5章からの抜粋ですが、この書物は、福音記者ルカがその福音書の第二部として、初代教会にお…