年間主日・C年

復活の主日・C年(22.4.17)

「見て、信じた」 民に述べ伝え、力強く証しする(使徒言行録10.42参照) 福音記者ルカが編集した初代教会における使徒たちの活躍を伝えているのが、使徒言行録です。 この書物の前半での主人公は使徒の頭であるペトロであり、後半は異邦人の使徒パウロに変…

受難の主日(枝の主日)C年(22.4.10)

「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます」 父よ、彼らをお赦しください(ルカ23.34b参照) ただ今、朗読されましたルカによるイエスの受難劇は、最高法院での取り調べが終わり、全議員が立ち上がり、早速、イエスをローマ総督ピラトのもとに連行したことから…

四旬節第1主日・C年(22.3.6)

「あなたの神である主を拝み ただ主にのみ仕えよ」 エジプトから導き出し この土地を与えられました(申命記26.9参照) 四旬節という恵みの時を迎え、早速、教会は、今日の第一朗読によって教会の原点としての旧約時代の神の民の歩みを振り返ります。 申命記…

年間第8主日・C年(22.2.27)

「人の口は心からあふれ出ることを語る」 言葉こそ人を判断する試金石(シラ27.7参照) 早速、今日の第一朗読ですが、知恵文学に属するシラ書(集会の書)27章からの抜粋ですが、この書物は、紀元前200年から180年の間に、シラ・エレアザルの子、エルサレム…

年間第7主日・C年(22.2.20)

「敵を愛しあなたがたを憎む者に親切にしなさい」 殺してはならない(サムエル記上26.9参照) 改めて、旧約聖書を紐解くことによって教会のルーツは、旧約時代における神の民イスラエルであると確認できるのではないでしょうか。しかも、この神の民の特徴を…

年間第6主日・C年(22.2.13)

「貧しい人々は幸いである 神の国はあなたがたのものである」 人間に信頼し その心が主から離れ去っている人は 呪われる(エレミヤ17.5参照) 今日の第一朗読で、紀元前6世紀にユダ王国で活躍した預言者エレミヤは、次のような警告を、大胆に預言しました。 …

年間第5主日・C年(2022.2.6)

「今から後、あなたは人間をとる漁師になる」 わたしがここにおります わたしを遣わして下さい(イザヤ6.8参照) 今日の第一朗読の最後に、預言者イザヤは、神に向かって「わたしがここにおります。」と、いとも確信に満ちた返事ができました。 では、「ここ…

年間第4主日・C年(22.1.30)

「預言者は自分の故郷では歓迎されない」 立ってわたしが命じるすべてのことを語れ(エレミヤ1.17参照) 早速、今日の第一朗読ですが、エレミヤ書一章からの抜粋であります。 この預言者エレミヤは、紀元前627年から585年にかけて、つまり神の民の歴史の中で…

年間第3主日(神のことばの主日)C年(22.1.23)

「この聖書の言葉は 今日実現した」 今日は我らの主にささげられた聖なる日(ネヘミヤ8.10a参照) 早速、今日の第一朗読ですが、内容的には、捕囚民となったイスラエルの民がペルシャ王キュロスによって紀元前539年にバビロンから解放され、翌年に発布された…

年間第2主日・C年(22.1.16)

「最初のしるしをガリラヤのカナで行って その栄光を現された」 王はすべてあなたの栄光を仰ぐ(イザヤ62.2参照) 紀元前538年から始まった捕囚地バビロンからの第一陣のエルサレムへの帰国から、神殿が奉献された515年の間に活躍した第三イザヤは、主なる神…

主の洗礼・C年(2022.1.9)

「あなたはわたしの愛する子 私の心に適う者」 慰めよ、わたしの民を慰めよ(イザヤ40.1参照) 紀元前538年に終わるバビロン捕囚の末期(まっき)の時代を生きた第二イザヤは、捕囚民に向かって次のような慰(なぐさ)めと希望のメッセージを預言しています。 「…

主の公現・C年(2022.1.2)

「異邦人がキリスト・イエスによって 同じ約束にあずかる者となる」 初めに、本日の祭日の由来を振り返って見ましょう。 教会は、家畜小屋で貧しくお生まれになった救い主イエスを、降誕祭で盛大に祝い、今日(きょう)は、東方の博士たちによって公に礼拝され…

神の母聖マリア(2022.1.1)

「マリアはこれらの出来事を心の納めて 思い巡らしていた」 まず初めに、本日の「神の母聖マリアの祭日」にちなんで、第二バチカン公会議の「教会憲章」(66項参照)によって、マリア崇敬の神学的根拠について次のように教えていることを確認してみましょう。…

主の降誕(日中のミサ)2021.12.25

「み言葉は人間となり われわれの間に 住むようになった」 地の果てまで すべての人が神の救いを仰ぐ(イザヤ52.10b参照) 紀元前6世紀、イスラエルの主だった人々が、バビロニア帝国の首都バビロンの近郊に強制移住させられていたいわゆる捕囚時代に、第二…

主の降誕 (夜半のミサ:21.12.24)

「地には平和、御心に適う人にあれ」 「平和の君」と唱えられ平和は絶えることがない(イザヤ9.56-56a参照) 「闇の中を歩む民は、大いなる光を見 死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。 あなたは深い喜びと大きな楽しみをお与えになり 人々は御前(おまえ)…

待降節第4主日・C年(21.12.19)

「主がおっしゃったことは必ず実現する」 お前の中からわたしのために イスラエルを治める者が出る(ミカ5.1参照) それでは、いつものように今日の聖書朗読箇所を順にふり返ってみましょう。 まず、第一朗読ですが、預言書ミカ書の5章からの抜粋であります…

待降節第3主日・C年(21.12.12)

「わたしたちはどうすればよいのですか」 お前はもはや災いを恐れることはない(ゼファニア3.15c参照) いつものように、今日の聖書朗読箇所を、順にふり返ってみましょう。 まず、第一朗読ですが、旧約にある預言書ゼファニア書の3章からの抜粋であります。…

待降節第2主日・C年(21.12.5)

「主の道を整え その道筋をまっすぐにせよ」 神は自らの慈しみと義をもって栄光の輝きを表す(バルク5.9参照) それでは、今日の聖書朗読箇所を、順にふり返ってみましょう。 まず、第一朗読ですが、旧約聖書続編にあるバルク書5章からの抜粋であります。 本…

待降節第1主日・C年(21.11.28)

「心が鈍くならないように注意しなさい」 その時、わたしはダビデのために正義の若枝を生え出でさせる(エレミヤ33.15参照) まず初めに、今日から始まった典礼歴年のC年の待降節について、確認してみましょう。この待降節には、二つの特質があると言えまし…

四旬節第 5 主日・C 年(2016.3.13)  

「見よ、新しいことをわたしは行う」 新しいことをわたしは行う いよいよ四旬節は、最終段階に入いりました。ですから、今日のみことばは、過越しの神秘を深く理解するための準備の個所が選ばれていると言えましょう。 では、早速、第一朗読ですが、第二イザ…

四旬節第3主日・C 年(2016.2.28)

「わたしは必ずあなたと共にいる」 モーセの召命 今日の第一朗読ですが、まさに旧約聖書に登場する代表的な人物モーセの召命を、感動的に伝えております。 そこで、モーセの生まれた時の時代背景について簡単に説明してみましょう。 イスラエルの民がエジプ…

四旬節第 2 主日・C年(2016.2.21)

「わたしたちの本国は天にある」 本日から、いよいよ四旬節の第 3 週目に入りましたので、また、今日のみことばを手掛かりに、特にキリスト者の生き方の基本的道筋を確認できるのではないでしょうか。 その方向付けを示してくれるのが、今日の第二朗読であり…

四旬節第 1 主日・C 年(2016.2.14)

「あなたの神である主を拝みただ主に仕えよ」 旧約の信仰告白 先週の灰の水曜日から、いよいよ今年の四旬節が始まりました。 この恵みの時に回心の体験を充実させるために、まず、今日のみことばを手掛かりに信仰の生き方の基本について総括してみましょう。…

年間第 4 主日・C 年(2016.1.31)

「預言者は自分の故郷では歓迎されない」 イエスは、なぜ故郷で殺されそうになったのか 今日の福音は、先週に引き続きイエスの初めての里帰りのエピソードの後半に当たります。ですから、次のように続きます。 「皆はイエスをほめ、その口から出る恵み深い言…

主の洗礼・C年(2016.1.10)  

「聖霊によって新しく生まれさせ 新たに造りかえる洗い」 主の洗礼は、何をもたらすのか 今日、なぜ主の洗礼を特別に祝うのでしょうか。 それは、イエスがヨルダン川で洗礼者ヨハネがから受けられた洗礼こそ、イエスがメシアとして人々の前にデビューした最…

主の公現・C年(2016.1.3)

「人々は皆、黄金と乳香を携えて来る」 みな集いあなたのもとに来る(イザヤ 60.4) 今日の祭日の由来について少し説明しましょう。 東方教会では、この祭日は、マタイとルカの福音書に基づいてイエスの誕生と幼児物語が背景となっております。 一方、西方教…

待降節第 4 主日・C年(2015.12.20)

「聖霊に満たされて」 母親同士 ルカ福音が伝える今日の場面は、いみじくも二人の母親同士の聖霊に満たされたエピソードが、ルカ特有の手法で描かれております。 実は、この二人の母親が、出会うほんの数日前、ナザレの村娘マリアのもとに大天使ガブリエルが…

待降節第 3 主日・C年(2015.12.13)

「わたしたちは何をすればよいのですか」 いつくしみの特別聖年の開年 去る 4 月 11 日・復活節第 2 主日、すなわち神のいつくしみの主日の前の晩、教皇フランシスコは、「大回勅・いつくしみの特別聖年」を公布なさいました。その小冊子が、各教会に届けら…

待降節第 2 主日・C年(2015.12.6)

「主の道を整えその道筋をまっすぐにせよ」 先駆者ヨハネの叫びにこたえて 待降節の第2週目を迎えて、まず、洗礼者ヨハネの叫びに耳を傾けましょう。 この旧約時代の最後の預言者とも言えるヨハネは、ルカ福音によれば、マリアの親類エリザベトの胎内にイエ…

待降節第 1 主日・C年(2015.11.29)

「いつも目覚めて祈りなさい」 待降節の意義 教会歴のB年が終わり、本日の待降節第 1 主日をもってC年が始まりました。この教会歴は、毎年王であるキリストの祭日で締めくくられ、また、典礼における新しい年を、A年、B 年、C年と三年の周期で繰り返しま…