四旬節

四旬節第3主日・B年(24.3.3)

「イエスの言われる神殿とは ご自分の体のことだった」 神はこれらすべての言葉を告げられた(出エジプト20:1参照) 早速、今日の第一朗読ですが、出エジプト記が語るシナイ山での契約の基礎である十戒がイスラエルの民が聞こえるところから、与えられた場面…

四旬節第2主日・B年(24.2.25)

「これはわたしの愛する子これに聞け」 あなたは、自分の独り子である息子すら、わたしにささげることを惜しまなかった(創世記22:12参照) 早速、今日の第一朗読ですが、百歳を超えた晩年のアブラハムが、彼の人生における最大の試練を、摂理に導かれて見事…

四旬節第5主日・A年(23.3.26)

「わたしは復活であり命である」 わたしがお前たちの中に霊を吹き込むと お前たちは生きる (エゼキエル37:14) 今日の第一朗読ですが、紀元前6世紀の捕囚時代に捕囚民のただ中で活躍した預言者エゼキエルの復活を暗示するダイナミックな預言にほかなりませ…

四旬節第3主日・A年(23.3.12)

「主よ、渇くことのないようにその水をください」 今日の第一朗読は、旧約聖書における救いの出来事の最初のクライマックスとも言えるエジプトの奴隷の家からの解放後の最初の試練を、次の様に伝えています。 「その日、民は喉(のど)が渇いてしかたないので…

四旬節第2主日・A年(23.3.5)

「これはわたしの愛する子わたしの心に適う者 これに聞け」 わたしはあなたを大いなる国民にし、あなたを祝福しあなたの名を高める (創世記12:2参照) 今日の第一朗読は、神の民の先祖アブラハムの召命物語を、いとも荘厳に次のように伝えています。 「主は…

四旬節第一主日・A年(23.2.26)

「人はパンだけで生きるのではない 神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」 それを食べると目が開け神のように善悪を知る者となる(創世記3:4参照) 今日の第一朗読で創世記の紀元前11世紀頃にまでさかのぼる古い資料に基づいて最初の人間の創造物語が、次…

灰の水曜日(23.2.22)

「今こそ心からわたしに立ち帰れ」 まず初めに、今日から始まる四旬節の由来について振り返って見ましょう。 すなわち、四旬節の歴史的背景を辿ると、既に2世紀頃から、聖金曜日に始まり、復活祭前夜の晩餐で終わる二日間の過越しの断食を行っていたと言うこ…

四旬節第4主日・C年(22.3.27)

「死んでいたのに生き返り いなくなっていたのに見つかった」 エリコの平野で過越祭を祝った(ヨシュア記5.10参照) 典礼暦年の一年の周期の説明の冒頭で、「過越の三日間」について、「キリストは人間にあがないをもたらし、神に完全な栄光を帰するわざを、…

四旬節第2主日・C年(22.3.13)

「これはわたしの子、選ばれた者これに聞け」 義と認められた(創世記15.6参照) 早速、今日の第一朗読ですが、創世記15章の最初の段落で、主なる神が、幻の中でアブラハムに語りかける場面が次の様に報告されています。 「恐れるな、アブラム(改名される前…

四旬節第1主日・C年(22.3.6)

「あなたの神である主を拝み ただ主にのみ仕えよ」 エジプトから導き出し この土地を与えられました(申命記26.9参照) 四旬節という恵みの時を迎え、早速、教会は、今日の第一朗読によって教会の原点としての旧約時代の神の民の歩みを振り返ります。 申命記…

四旬節第5主日・B年(2021.3.21)

「地上から上げられるとき すべての人を自分のもとへ引き寄せよう」 新しい契約を結ぶ日が来る(エレミヤ31.31参照) 早速、今日の第一朗読ですが、紀元前7世紀から6世紀にかけてユダ王国で活躍した預言者エレミヤが、捕囚民に向かって捕囚からの解放と祖国…

四旬節第4主日・B年(2021.3.14)

「独り子を信じる者が 永遠のいのちを得るために」 神なる主が共にいてくださるように(歴代誌36.23参照) 今日(きょう)の「ことばの典礼」において、まさに神の救いの歴史の壮大なドラマの筋書きが示されていると言えましょう。 では、早速、第一朗読によっ…

四旬節第3主日・B年(2021.3.7)

「イエスの言われる神殿とは ご自分の体のことだった」 いかなる像も造ってはならない(出エジプト20.4a参照) 早速、今日の第一朗読ですが、出エジプト記が伝える主なる神が、シナイ山でモーセに十の掟(おきて)を授ける場面であります。 それは、旧約聖書が…

四旬節第2主日・B年(2021.2.28)

「これはわたしの愛する子 これに聞け」 自分の独り子ですら惜しまなかった(創世記22.16c参照) 早速、今日の第一朗読ですが、創世記が伝えるアブラハムの人生における最大の試練の感動的な体験記であります。 このアブラハムこそ、信仰の父として救いの歴…

四旬節第1主日・B年(2021.2.21)

「回心して福音を生きる」 契約に心を留める主なる神(創世記9.15参照) 早速、今日の第一朗読ですが、創世記が語る洪水物語のテーマである虹の契約についての説明の場面であります。地球上に広がっていた人間の悪を滅ぼす大洪水の只中(ただなか)、神の救い…

四旬節第4主日・A年(2020.3.22)

「神の業が現れるために」 序幕 今日の福音も、先週と同じヨハネ福音書の9章からの抜粋でありますが、また、文脈を、便宜上、「盲人の目を癒すというしるしの展開」という主題に設定し、四幕のドラマにして見ましょう。 早速、序幕は、9章1節から5節までとな…

四旬節第3主日・A年(2020.3.15)

「わたしが与える水を飲む者は決して渇かない」 舞台設定(4.1-6) ちなみに、皆さんのお手元にある「聖書と典礼」には、いつものように朗読のために段落で区切られた本分からの抜粋を繋ぎ合わせた朗読箇所に他なりあません。 特に、今日の福音は、福音記者…

四旬節第2主日(2020.3.8)

「信仰の旅立ち」 主のことばに従って旅立った。 いよいよ四旬節の第二週目を迎え、わたしたちの回心の歩みを、更に充実させて行くために、ことばの典礼で朗読された聖書の箇所を、少し丁寧に振り返って見ましょう。早速、第一朗読ですが、創世記12章で語ら…

四旬節第1主日・A年(2020.3.1)

「誘惑に打ち勝つには」 神のことばへの不従順こそ罪の根源 先週の司教座聖堂での灰の水曜日のミサには、予想以上に大勢参加し、洗礼志願者と共に、四旬節の豊かな恵みに共同体ぐるみで与ることが出来るよう、決意を新にしました。 それでは、まず、今日の「…

四旬節第4主日・A年(1996.3.17)【ヨハネ9:1-41】  

目が見えるようになる 神の業が現れる 古今東西を問わず、因果応報の考えはまだ根強く残っている。特に生まれながらの障がいなどは、罪の結果と思われている。 しかし主はまったく新しい視点でとらえることをはっきりと教えてくださる。 「本人が罪を犯した…

四旬節第3主日・A年(1996.3.10)【ヨハネ4:5-42】

主よ。渇くことのないように、その水をください 魂の渇きに気づく このサマリアの女は、人目をはばかって、だれも来ない真っ昼間に水を汲みに来なければならなかった。しかしイエスがあたかも待っていたかのように、ひとりでその井戸のそばに座っておられた…

四旬節第2主日・A年(1996.3.3)【マタイ17:1-9】

これは私の愛する子 彼に聞け 復活への道を示す 「顔は太陽のように輝き、服は光のように白くなった」 この主のご変容の背景に、まずシナイ山でのモーセの神との出会いが考えられる。 「山から下った時、自分が神と語っている間に、自分の顔の肌が光を放って…

四旬節第1主日・A年(1996.2.25)【マタイ4:1-11】

誘惑に打ち勝つ 自分の能力を示す 四旬節に入り、主の歩まれた試練の道を、確認する恵みの時をいただく。 悪霊の導きと悪霊の誘惑は、同時進行する。誘惑を受けても聖霊の導きによってそれに打ち勝つならば、信仰はかえって鍛えられる。つまり誘惑が試練に変…

四旬節第5主日・A年(1996.2.24)【ヨハネ11:1-45】

ラザロ、出て来なさい 死んでも生きる イエスの公生活を締めくくる重要な神のみ業(わざ)のしるしが、ラザロの復活である。 しかしこの奇跡がユダヤ人にイエスを殺す決断をさせてしまった。(ヨハネ11:45以下) 「わたしを信じる者は、死んでも生きる」 ま…

四旬節第 5 主日・C 年(2016.3.13)  

「見よ、新しいことをわたしは行う」 新しいことをわたしは行う いよいよ四旬節は、最終段階に入いりました。ですから、今日のみことばは、過越しの神秘を深く理解するための準備の個所が選ばれていると言えましょう。 では、早速、第一朗読ですが、第二イザ…

四旬節第3主日・C 年(2016.2.28)

「わたしは必ずあなたと共にいる」 モーセの召命 今日の第一朗読ですが、まさに旧約聖書に登場する代表的な人物モーセの召命を、感動的に伝えております。 そこで、モーセの生まれた時の時代背景について簡単に説明してみましょう。 イスラエルの民がエジプ…

四旬節第 2 主日・C年(2016.2.21)

「わたしたちの本国は天にある」 本日から、いよいよ四旬節の第 3 週目に入りましたので、また、今日のみことばを手掛かりに、特にキリスト者の生き方の基本的道筋を確認できるのではないでしょうか。 その方向付けを示してくれるのが、今日の第二朗読であり…

四旬節第 1 主日・C 年(2016.2.14)

「あなたの神である主を拝みただ主に仕えよ」 旧約の信仰告白 先週の灰の水曜日から、いよいよ今年の四旬節が始まりました。 この恵みの時に回心の体験を充実させるために、まず、今日のみことばを手掛かりに信仰の生き方の基本について総括してみましょう。…

四旬節第4主日・B 年(2015.3.15)

「人の子を信じる者が、永遠のいのちを得る」 旧約聖書が語る救いのクライマックス 先週すでに確認したようにイスラエルの民のエジプトの奴隷の家からの解放は、まさに神の救いの御業のクライマックスにほかなりません。 そしてまた、今日の第一朗読が語るバ…

四旬節第3主日・B 年(2015.3.8)

「あなたはいかなる像も造ってはならない」 十戒を今日に生きる 早速、今日の第一朗読ですが、出エジプト記が伝えるシナイ山での契約の出来事の核心に触れる報告であります。 とにかく、モーセの素晴らしいリーダーシップの下(もと)、エジプトの奴隷の家か…