2013-01-01から1年間の記事一覧

聖家族・A 年(2013.12.27)

「愛は、すべてを完成させる絆」 聖家族の祝日の由来 降誕祭を盛大に祝った私たちは、来年の 1 月 12 日の主の洗礼の祭日までの期間を、降誕節として主の降誕を盛大に祝い続けます。 そして、その八日間に入る日曜日には、聖家族の祝日を祝います。ですから…

年間第 33 主日・C 年(2013.11.17)

「あなたがたにとって証しをする機会となる」 証を機会とするなる イエスは、今日の福音で、世の終わりつまり終末の到来の前に、教会は必ず迫害に遭うが、それはまさに信仰を証する絶好のチャンスであると断言なさっておられます。 「民は民に、国は国に敵対…

年間第 32 主日・C 年(2013.11.10)

「永遠の新しい 命へとよみがえらせてくださる」 復活信仰の芽生え かなり前の話になりますが、川越市で亡くなられた方の追悼ミサを、宮城県の出身教会でささげたときです。 故人は、まだ四十代の働き盛りの建築家でしたので、彼が活躍していた会社の会長初…

年間第 31 主日・C 年(2013.11.3)

「今日(きょう)、救いがこの家を訪れた」 あなたはすべてをいとおしまれる 今日の第一朗読は、『知恵の書』からとられていますが、この文書は、聖書の中にある「知恵文学」の代表作と言えましょう。聖書で語られる「知恵」については、『箴言』で次のよう…

年間第 30 主日・C 年(2013.10.27)

「祈るときの心の姿勢」 謙虚な人の祈りは、雲を突き抜け主に届く 「信仰年」を締めくくるにあたって、わたしたちの祈りについて少し振り返って見たいと思います。 早速、今日の第一朗読では、祈る人の心の姿勢について簡潔に次のように語られています。 ま…

年間第 29 主日・C 年[世界宣教の日](2013.10.20)

「みことばを宣べ伝えなさい」 教皇フランシスコからのメッセージ 本日、「世界宣教の日」にあたり教皇フランシスコは、全世界の教会あてに次のような冒頭で始まるメッセージをくださいました。 「親愛なる兄弟姉妹の皆様 世界宣教の日を祝うこの時、主との…

年間第 28 主日・C 年(2013.10.13)

「あなたの信仰が、あなたを救った」 ことばどおりに 今日の第一朗読は、紀元前9世紀の前半、北のイスラエル王国で活躍した預言者エリアではなく、その弟子エリシャの言葉によって重い皮膚病が癒されたエピソードを伝えています。 癒されたのは、アラム(現…

年間第 27 主日・C 年(2013.10.6)

「神に従う人は、信仰によって生きる」 神に従う人は信仰によって生きる 「信仰年」を、締めくくるにあたって、聖書を手がかりに信仰について改めてご一緒に考えて見たいと思います。日の第一朗読ですが、その最後の段落に次のような信仰についての簡潔な言…

年間第 26 主日・C 年(2013.9.29)

「無関心から連帯へ回心する」 先月の九月一日に、教皇フランシスコは、バチカンのサン・ピエトロ広場に集まった群衆を前にして平和を力強く訴えられました。 教皇は、世界中で起きている武力による紛争に心を大変痛め、「この数日間、私の心は、特にシリア…

年間第 25 主日・C 年(2013.9.22)

「わたしは、祈ることしかできなかった」 患者のために命をささげた看護師 今年の初めに出版された『看取り先生の遺言―がんで安らかな最期を迎えるために―』という単行本ですが、2000 人以上の患者さんを看取ったがん専門医の岡部健先生の遺言としてジャーナ…

年間第 24 主日・C 年(2013.9.15)

「悔い改める一人の罪人のためには,もっと大きな喜びが天にある」 全能のゆえにすべての人を憐れむ 旧約時代から新約時代に至るまで、聖書は一貫して神のあわれみを強調しています。 『旧約聖書続編』にある『知恵の書』では、次のようにあわれみの神を褒め…

年間第 23 主日・C 年(2013.9.8)

「イエスの弟子となる果てしない道」 呼ばれていますいつも 今日の福音は、まさにイエスの弟子となる条件を、極めて厳しい表現で呼び掛けておられる大切な場面です。 ルカ福音書では、すでに 9 章で、イエスの弟子になるための覚悟について、イエスがエルサ…

年間第 22 主日・C 年(2013.9.1)

「主はへりくだる人によって、あがめられる」 自らへりくだれ 今日の第一朗読は、『旧約聖書続編』の中にある、『シラ書』(『集会の書』)からとられていますが、この書物は、「シラの子、エルサレムに住むイエスス」によって紀元前 190年頃にまずヘブライ…

年間第 21 主日・C 年(2013.8.25)

「狭き門から入るように競うべき」 狭い門から入れ 今日の福音朗読箇所は、ルカ福音書からとられていますが、マタイ福音書にも同じような内容が数か所にあります。 ルカの「狭い戸口から入るように努めなさい。言っておくが、入ろうとても入れない人が多いの…

年間第 20 主日・C 年(2013.8.18)

「地上に火を投じるために来た」 エルサレムへの旅の途上で 今日の福音朗読は、ルカ福音においては、世の終わりと救いの完成つまり、終末を視野に入れた黙示文学的な箇所と考えられます。因みに、聖書における黙示文学というのは、本来、終末の神の勝利に対…

(仙台教区)平和を求めるミサ(2013.8.11)

「新しい人に造り上げて平和を実現し」 日本カトリック平和旬間の由来 今年もまた、「日本カトリック平和旬間」を迎え、仙台教区では、本日、一斉に「平和を求めるミサ」をささげています。 ですから、今日また改めて、この平和旬間の由来を振り返ってみたい…

年間第 18 主日日・C 年(2013.8.4)

「どんな貪欲にも注意を払い、用心しなさい」 上にあるものに心を留め、地上のものに心を引かれないように パウロは、わたしたちが、洗礼を受けることによって、全く新しい、つまり復活のいのちを生きるために生れ変わるために、まず、古い自分つまり罪に死…

年間第 17 主日・C 年(2013.7.28)

「わたしたちにも祈りを教えてください」 今日、弟子たちと共に、改めてイエスにお願いしたいです。 「主よ、わたしたちにも祈りを教えてください」と。 実は、今日の福音が教える「主の祈り」は、マタイ福音書にも平行箇所があります。ですから、これら両方…

年間第 16 主日・C 年(2013.7.21)

「日々、みことばを生活のただ中でもてなす」 日常生活のただ中で神が訪れる 今日の第一朗読は、創世記からとられておりますが、わたしたちの信仰の父であるアブラハムのみことばの素晴らしいもてなしかたを詳しく描いています。 パレスチナ地方の真昼時、な…

年間第 15 主日・C 年(2013.7.14)

「その人の隣人になる」 永遠のいのちを受け継ぐ ただ今の「福音朗読」は、新約聖書の三番目の書物である『ルカによる福音』からとられた朗読箇所であり、よく知られた「良きサマリア人の譬え」がその内容になっております。 しかも、日本においても「キリス…

年間第 14 主日・C 年(2013.7.7)

「あなたがたの願う平和はその人にとどまる」 原子力平和利用という隠れ蓑 原発時代の到来は、1953 年末にアメリカ大統領アイゼンハワーが、国連演説で“Atoms for Peace”「原子力平和利用」を、世界に向かって訴えたのが発端であります。ところで、この政策…

年間第13主日・C 年(2013.6.30)

「わたしに従いなさい」 エリシャの召し出し 今日の第一朗読は、旧約時代に最初に登場する預言者エリアの弟子エリシャの預言者としての召し出しの場面を感動的に伝えています。 まず、主なる神がエリアに命じます。「アベル・メホラのシャフトの子エリシャに…

年間第 11 主日・C 年(2013.6.16)

「愛は罪よりも強い」 罪の自覚 わたくしが洗礼を受けたのは、丁度68年前、小学校の6年生のときです。一年間、兄弟三人は、毎週教会に通い、若い女性のカテキスタつまり、司祭の右腕として、特に子たちの信仰教育の担当者から子ども向けの教理を教えても…

キリストの聖体・C 年(2013.6.2)

「裂いて弟子たちに渡しては、群衆に配らせた」 典礼改革が目したこと ちょうど50年前、教会は第二ヴァティカン公会議において、典礼の根本的改革に取り組みました。特に、ミサのささげ方について思い切った見直しをいたしました。それは、中世以来続いてき…

三位一体の主日・C年(2013.5.26)

「三位一体の神を信じ、礼拝します」 三位一体の祭日の由来 教会は、伝統的に「祈りの掟と信仰の掟」(Lex orandi et lex credendi)の密接な繋がりを強調してきました。信仰箇条の重要な主題である「父と子と聖霊を等しく神として信じる」ことは、すでに、8…

主の昇天・C年(2013.5.12)

「地の果てに至るまで、わたしの証人となる」 今日の第一朗読は、福音記者ルカが書いたとされる『使徒言行録』からとられていますが、まさにルカが、イエスの昇天の出来事をどのように捉えているかを、つまり、昇天という出来事をいかなる文脈で受け止めてい…

復活節第 3 主日・C 年(2013.4.14)

「わたしは彼らに永遠のいのちを与える」 わたしを愛しているか ヨハネ福音書によれば、復活なさったイエスが、弟子たちのところに三度にわたって現れて下さいました。その三度目の時ですが、弟子たちと一緒に食事をなさってから、ペトロと個人的に話された…