年間主日・A年

復活節第3主日・A年(23.4.23)

「二人の目が開けイエスだと分かった」 (1)二人の目は遮(さえぎ)られていてイエスだとは分からなかった(ルカ24:16参照) 今日の福音は、ルカだけが伝えている復活のイエスが、エマオに向かって恐らく逃亡中のクレオパと、もう一人の弟子に現れてくださっ…

復活節第2主日・A年(23.4.16)

「弟子たちは主を見て喜んだ」 その日 週の日の初めの日の夕方(ヨハネ20:19参照) ヨハネ福音書の文脈では、この20章の冒頭で、「週の初めの日、朝早く、まだ暗いうちに、マグダラのマリアは墓に行った(同上20.1)」から、主の愛しておられたもう一人の弟…

復活の主日・A年(23.4.9)

「もう一人の弟子も入って来て、見て、信じた」 キリストと共に復活させられたのですから、上にあるものを求めなさい (コロサイ3:1参照) 今日の第二朗読は、使徒パウロが、56年から58年にかけて、ローマの獄中から、コロサイの教会の信徒に宛ててしたため…

復活の聖なる徹夜祭 A年(23.4.8)

「あの方は死者の中から復活された」 恐れることはない。行ってわたしの兄弟たちにガリラヤに行くように言いなさい(マタイ28:9参照) 福音記者マタイは、イエスの復活の出来事を、独自なタッチで極めて(きわ)ドラマティックに描いています。 まず、「マグダ…

受難の主日(枝の主日)A年(23.4.2)

「マタイによる主イエス・キリストの受難」 ただ今、それぞれの登場人物の役割を分担して朗読いたしました、マタイによるイエスの受難のドラマについて、解説してみましょう。 まず、この受難劇は、あくまでも主人公のイエスのお言葉と行為とによって展開し…

四旬節第5主日・A年(23.3.26)

「わたしは復活であり命である」 わたしがお前たちの中に霊を吹き込むと お前たちは生きる (エゼキエル37:14) 今日の第一朗読ですが、紀元前6世紀の捕囚時代に捕囚民のただ中で活躍した預言者エゼキエルの復活を暗示するダイナミックな預言にほかなりませ…

四旬節第3主日・A年(23.3.12)

「主よ、渇くことのないようにその水をください」 今日の第一朗読は、旧約聖書における救いの出来事の最初のクライマックスとも言えるエジプトの奴隷の家からの解放後の最初の試練を、次の様に伝えています。 「その日、民は喉(のど)が渇いてしかたないので…

四旬節第2主日・A年(23.3.5)

「これはわたしの愛する子わたしの心に適う者 これに聞け」 わたしはあなたを大いなる国民にし、あなたを祝福しあなたの名を高める (創世記12:2参照) 今日の第一朗読は、神の民の先祖アブラハムの召命物語を、いとも荘厳に次のように伝えています。 「主は…

四旬節第一主日・A年(23.2.26)

「人はパンだけで生きるのではない 神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」 それを食べると目が開け神のように善悪を知る者となる(創世記3:4参照) 今日の第一朗読で創世記の紀元前11世紀頃にまでさかのぼる古い資料に基づいて最初の人間の創造物語が、次…

灰の水曜日(23.2.22)

「今こそ心からわたしに立ち帰れ」 まず初めに、今日から始まる四旬節の由来について振り返って見ましょう。 すなわち、四旬節の歴史的背景を辿ると、既に2世紀頃から、聖金曜日に始まり、復活祭前夜の晩餐で終わる二日間の過越しの断食を行っていたと言うこ…

年間第7主日・A年(23.2.19)

「敵を愛し 自分を迫害する者のために祈りなさい」 自分自身を愛するように 隣人を愛しなさい(レビ19:18参照) ちなみに、旧約聖書にある最初の五つの書物を、モーセ五書といいますが、今日(きょう)の第一朗読は、その三番目の書物レビ記19章からの抜粋であ…

年間第6主日・A年(22.2.12)

あなたがたの義が人々の義にまさっていなければ 天の国に入ることができない 主の知恵は豊かでありすべてを見通される(シラ15:18) 今日(きょう)の第一朗読で、著者は、神からいただいている知恵のすばらしさについて、次のように強調しています。 「主の知…

年間第5主日・A年(23.2.5)

「あなたがたの光を 人々の前に輝かせなさい」 あなたの光は曙(あけぼの)のように射し出でる(イザヤ58:8参照) 今日の第一朗読で、第三イザヤ(紀元前538年から始まる捕囚からの帰還後に活躍)は、半世紀にわたる捕囚から故国に帰った混乱の時代に、イスラ…

年間第4主日・A年(23.1.29)

「心の貧しい人は幸いである 天の国はその人たちのものである」 イスラエルの残りの者は 不正を行わず偽りを語らない (ゼファニヤ2:13参照) 今日の第一朗読で、預言者ゼファニヤは、救いの歴史におけるイスラエルの「残りの者」の大切な使命について預言し…

年間第3主日・A年(23.1.22)

「二人はすぐに網を捨てて従った」 異邦人のガリラヤは栄光を受ける(イザヤ8:23c参照) 今日の第一朗読で、メシア預言者イザヤは、「異邦人のガリラヤは、栄光を受ける。闇の中を歩む民は、大いなる光を見 死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。」と、平…

主の公現(2023.1.8)

「幼子を拝み黄金、乳香(にゅうこう)、没薬(もつやく)を、贈り物として献(ささ)げた」 主の栄誉(えいよ)が述べ伝えられる(イザヤ60:6c参照) まず、初めに本日(ほんじつ)の祭日の由来を振り返ってみましょう。 実は、すでに四世紀の初めに、エジプトのアレ…

神の母聖マリア(2023.1.1)

「マリアはこれらの出来事をすべて 心に納めて思い巡らしていた」 主があなたを祝福しあなたを守られるように(民数記6:24参照) 早速、今日の第一朗読ですが、民数記が伝える祭司による祝福の祈りにほかなりません。 ちなみにこの民数記ですが、紀元前6世紀…

主の降誕(日中のミサ)22.12.25

「みことばは人となりわれわれのうちに宿った」 地の果てまですべての人が私たちの神の救いを仰ぐ(イザヤ52:10b参照) この日中(にっちゅう)のミサにおいて、人となられたみことばを軸にそれぞれの聖書朗読を振り返ることによって、主の降誕の聖書的神秘を…

主の降誕(夜半のミサ)22.12.24

今日ダビデの町であなたがたのために 救い主がお生まれになった その名は「驚くべき指導者、力ある神、永遠の父、平和の君」(イザヤ9:5d) 今宵(こよい)、全世界の善意(ぜんい)の人々と共に、救い主イエスの誕生を共に祝うことが出来るその聖書的意義を確認…

待降節第4主日・A年(22.12.18)

おとめが身ごもって男の子を産み その名をインマヌエルと呼ぶ 主なるあなたの神にしるしを求めよ(イザヤ7:11a参照) 早速、今日の第一朗読ですが、イザヤ書7章からの抜粋であります。 ちなみに、この代表的メシア預言者であるイザヤが、活躍したのは、紀元…

待降節第3主日・A年(22.12.11)

「貧しい人は福音を告げ知らされている」 神は来てあなたたちを救われる(イザヤ35:4e参照) 待降節第3主日は、「喜び」がテーマになっているので、待降節の三番目のろうそくの色を、他の三本とは違う喜びの色であるバラ色にし、祭服もバラ色を着る伝統があ…

待降節第2主日・A年(22.12.4)

「回心せよ神の国は近づいた」 エッサイの株からひとつの芽が萌(も)えいで その上に主の霊がとどまる(イザヤ11:2a参照) 今日の第一朗読ですが、イザヤ書11章からの抜粋であります。 当然なことなから、待降節には特にイザヤ書から、メシア預言が朗読されま…

待降節第1主日・A年(22.11.27)

「あなたがたも用意していなさい」 剣(つるぎ)を打ち直して鋤(すき)とし 槍(やり)を打ち直して鎌(かま)とする(イザヤ2:4参照) 早速、今日の第一朗読ですが、イザヤ書2章からの抜粋であります。 この預言書は、66章ありますが、編集者とその時代によって、…

王であるキリスト・A年(2020.11.22)

「人の子はその栄光の座に着く」 王であるキリストの祭日のテーマ 1925年、時の教皇ピオ11世は、「われらの主イエス・キリスト、全世界の王の祭日」を、毎年10月の最後の日曜日に祝うことを、定められました。その後、典礼歴年の新しい原則によって、年間最…

年間第33主日・A年(2020.11.15)

「貧しい人のための世界祈願日」 貧しい人に援助の手を差しのべよ(シラ7.32参照) 教皇フランシスコは、すでに四年前から、年間第33主日を、「貧しい人のための世界祈願日」に定められました。 ですから、今日(きょう)のために、長い熱きメッセージを、全世…

年間第32主日・A年(2020.11.8)

「目を覚ましていなさい」 知恵を思って目を覚ましていれば(知恵の書6.15参照) まず、今日の第一朗読ですが、知恵の書の6章からの抜粋であります。 ちなみに、この知恵の書は、恐らく紀元前一世紀ごろに、エジプトの学問の都市アレクサンドリアで、ギリシ…

諸聖人の祭日・A年(2020.11.1)

「天には大きな報いがある」 白い衣を身に着け手にナツメヤシの枝(黙示録7:9参照) いつものように「ことばの典礼」でいただいた今日のみことばを、少し丁寧に振り返ってみましょう。まず第一朗読ですが、ヨハネ黙示録の7章からの抜粋であります。ちなみに…

年間第28主日・A年(2020.10.11)

「婚宴は客でいっぱいになった」 すべての顔から涙をぬぐい(イザヤ25:8b参照) 早速、今日の第一朗読ですが、紀元前5世紀ごろ、イスラエルが戦勝国バビロニア帝国の首都バビロンの近くを流れる運河のほとりに、強制移住させられていた捕囚時代の無名の預言…

年間第27主日・A年(2020.10.4)

「聞いたこと見たことを実行しなさい」 神の民イスラエルの不忠実 今日の第一朗読は、紀元前8世紀にユダ王国で活躍した預言者イザヤが、神の期待を裏切った王国の指導者階級を厳しく批判した預言の抜粋であります。 因みに旧約聖書では、主なる神を農夫に、…

年間第26主日・A年(2020.9.27)

「他人のことにも注意を払いなさい」 回心への呼び掛け 早速、今日の第一朗読ですが、紀元前597年の第一回バビロン捕囚の際に戦勝国の首都バビロンの近郊を流れる川のほとりに強制移住させられた、預言者エゼキエルが編集した預言書18章からの抜粋であります…